寡作ながら『ももいろそらを』や『ぼんとリンちゃん』など、知られざる傑作を生み出している小林啓一監督の最新作。
恋をしている女性が光って見える主人公が、恋とは何かを定義していくストーリーであり、ティーン向け青春映画かと思ったがそれだけに留まらず、純粋ながらも切実な人生のテーマに心を打たれた。
セリフのみで進行するようなフックの効いた会話劇だけで十分に面白いのだが、この監督は人物をめちゃくちゃ美しく撮る天才でもある。息をのむ神ショットの連続に、観ているこちらも胸が苦しくなる。久しぶりに手放しで最高と言える映画だった。
