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生れてはみたけれどのピッコロのレビュー・感想・評価

生れてはみたけれど(1932年製作の映画)
4.2
大人の見る絵本

サイレント小津さん…。
だけども、wowowで見たVerは字幕に音声がついてて…。
風間杜夫さんと倍賞さんが声の担当をしてた…。
音楽もオリジナルには無いヤツなのかな?
コミカルなメロディが見てて心地よかったんだけども…。
字幕読みは好みがあると思うけど、個人的には声がつくことで作品に入りやすい感じはあったかも?

転校してきた兄弟は、ジャイアンみたいなガキ大将に目を付けられてしまう…。
学校に来たらイジメてやるからな~っていう最低なヤツ…。
と言うことで兄弟は学校に行く振りをして親を騙すんだけども…。
昔は、"甲"って付くと成績がイイ証拠みたいね…。
偽装工作して親に褒めてもらう…。
誰にでも思いあたることがあるんじゃなかろうか?
悪い点数だったらテスト隠したり?
イイ点数だったらご褒美貰えたり…。
酒屋の兄ちゃんに頼んでガキ大将を退治してもらい天下統一!
子供社会は、力がすべて!
強いヤツだけがのし上がることが出来る世界!
昨日までイジメてたヤツも急に弱く見えてくる…。
だけども…、大人の世界は違う…。
僕のパパは偉いんだ!いいや!オレのパパの方が偉いんだぜ!
それまで自分のパパが一番だと信じてたのに、活動写真に映る変顔ばかりしてる情けないパパの姿…。
友達は、面白いパパだね!って笑ってくれるけども…。
パパは全然偉くない!毎日、偉い人にペコペコしてカッコ悪い…。
子供には分からない大人の世界…。
大人の世界はお金を持ってる人が上にたち、その人からお金を貰っている…。
そうして君たちも生きてるんだよ…。
でも…、子供は理解してくれない…。
彼らがそれを理解する日は、まだまだずーーーっと先の話…。
いつかは気づくときがくる。パパの大変さ…。ママの優しさ…。
だけども…、子供にとっては、カッコよくて偉いパパじゃないと嫌なんだ!

今作は、大人が見る絵本。
かつて子供だった人たちが見る絵本である…。
あの頃は分からなかった気持ちが溢れて止まらない…。泣
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