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生れてはみたけれどのhummingbirdのレビュー・感想・評価

生れてはみたけれど(1932年製作の映画)
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サイレント。この年のキネ旬ベスト1。

お話の流れがすごく巧みだと思う。まず子供から見た世界を描き、活動写真で父親の世界が分かるけど、父親の思慮深さも描き、子供も父親の立場を理解する。

兄弟の動きのシンクロぶり、時に弟がまねをするところなど、とても細かく徹底されていて(監督に要求されたんだろうけど)、演じた子供もすごいと思う(弟は突貫小僧)。

映像のつくりは「学生ロマンス」の頃とあまり変わらなくて、丁寧でうまい。物のカットが減ったせいか、サイレントっぽさがほとんどない。

美術は河野鷹思が担当していて、松竹でも美術をやっていたのは知らなかった。庭のモダンな感じは彼らしい気がする。

2021/1/30 録画
2015/5/2「ゴールデン名画劇場」@神保町シアター
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