たけちゃんはクラスでも浮いている存在でクラスメイトに時折悪口を言われる。その言葉におそらく彼は傷ついたり、怒りを持っているはずなのに軽くあしらうかのように少し言い返すだけで、手を出すわけでもない。
そして、自分の家の姿をクラスメイトに知られてしまった時に唯一笑ったり、嫌な顔をしなかったひさちゃんを信用できる相手と判断したけちゃんの方が自分よりよっぽど大人に見えた。
人が嫌がるようなことを何も考えずにしてしまう子供心がいかにくだらなくて、それが自分に返ってきたり、周りの人から見放される行為であることだと今ではわかるようになったが、ごく普通の小学生にはまだそんなことわかるはずがない。大人でもそういった「大人な」対応をできる人はそんなに多くない。だけど、たけちゃんはそうではなかったし、そんなたけちゃんがほんとにかっこいいと思った。尊敬。
自分が友達だと思っていても相手がそう思っているとは限らないって考えてしまう気持ちすごいわかるなあ、気にしないそぶりを見せつつもやっぱり人間関係で傷つくのを恐れてしまうよね。
見ててたけちゃんという人間が本当に好きになった。
大人になっても友達と呼べる相手がいるの素敵なだなあ。すごく良かった。
