ハヤシ

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのハヤシのレビュー・感想・評価

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題材も設定も好きなのに今ひとつ乗り切れなかったのはなんでだろうな〜と思うに、ちょっと笑いのツボが合わなかったのかも…(アルファ・ウェイモンドのカンフーは大好きだった)。

とはいえやっぱり素晴らしい映画だった。クィアの物語でSFと結びついたものは個人的には今まであまり観たことがなくて、面白いな〜と思った。と同時に、アフロフューチャリズムやフェミニストSFのことを思い出しもし、マイノリティの選択肢を広げる可能性としてのSFの器の大きさについて改めて考えさせられた。

中国系移民が出てくるクィア映画といえば『ハーフ・オブ・イット』だなあ、そういえばあの映画ではお父さんは娘のセクシュアリティに対してどういう反応をしていただろうか…と思って確認してみたら、「娘の可能性が見えていない」と指摘されているシーンがあった。あのお父さんは娘のセクシュアリティに対して口を出さなかろうとは思うが。

中国においては1997年になるまで同性愛が犯罪とされていたという背景を踏まえてみれば、現代の映画の父母世代が同性愛に対して寛容でない姿勢を示していたとしても違和感はないのかもしれない。

中国語部分の英語字幕を追うのがけっこうキツかったというのは少なからずあるので、早く日本語でもう一度観たい!
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