ペコ

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのペコのレビュー・感想・評価

3.7
試写会にて鑑賞。本年度アカデミー賞最有力とも言われている本作。
マルチバースに飛ばされた経営者の女性が超人的な能力を手に入れて、人類を救う戦いを繰り広げるお話。
なるほどー。これは好き嫌いが分かれそうな気がします。マルチバースが絡んでくると複雑な話なのかと予想していましたが、思っていたよりもシンプルなお話でした。そしてバカバカしさとお下品さが予想以上に強めでした。家族との繋がりであったり、人がお互いに優しく支え合うことの大切さが描かれていました。人間って強い面もあれば、弱い面もある。得意なこともあれば、不得意なこともある。マルチバースと絡ませて、家族や知り合いとの関係性が変化する演出はとても面白かったです。「あの時ああしておけば…」「あっちの道に進んでいれば…」今までの人生で数えきれないほどの分かれ道に立ったと思う。その道が正しかったのか間違いだったのかは分からないけど、選択し続けて今がある。過去に戻ってやり直したいと思うことはいっぱいあるけれど、いまを見つめて、いまある幸せを噛み締めようというメッセージ性を感じました。マルチバースはマーベル作品で嫌って言うほど見せられてきましたが、こんな使い方もあるのかと新鮮でした。60歳のミシェル・ヨーのアクションもカッコいい!
ただし、個人的には後半にいくにつれて、中だるみを感じてしまったのが残念。同じことの繰り返しの展開はちょっと退屈。小ネタが満載で楽しめましたがカオスな世界観をずっと見せられててちょっと理解しづらかったかなと思います。
ペコ

ペコ