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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのpenのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

マトリックスの影響を随所に感じる。犬の扱いが少し気になる。

お互いの言い分を受け止めた上で袂を分かつ方向でも良かったような気がするが、同じ車に乗って移動して降り際に娘の恋人であるベッキーと交流するラストの車でのやり取りも好きではある。

奇行を繰り返して数え切れないほどの多次元宇宙を経由しないと目の前の相手と向き合えないこと、能力を手に入れる度に現在の自分との差に愕然とすること。生物という枠組みを捨て、石として存在するユニバースでようやく、本音混じりの会話が出来る母娘。
それらが浮き彫りにする人の哀しみと突きつけられた現実。その上でどう生きるのか。どう人と接するのか。

映像や編集が好き。ガラスのひび割れ、映像の質感、同一ポジの連続別カットで表現するマルチバース、素晴らしい。決着をつけるべき関係はシンプルだしユニバースは数え切れないほどある設定なので、どんどん拡げられる。どうせならやれるところまでスケールを大きくしてやろうとする姿勢が良かった。
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