tq1chi

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのtq1chiのレビュー・感想・評価

4.8
”目標を立てては挫折し夢を抱いては諦めた”

”一日中”
”何が何だかわからない”
”でも何となく”
”全て僕が悪い気がする”

”世渡りに必要なことさ”

”優しくならなきゃ”

”クソ愚かだったって気づく”

”あんたとここにいたい”

2回目
笑ったら良いのか泣いたらいいのか分かんねぇよこれ
人生は選択の連続で、「あのときこうしていれば」は常に付きまとう。あまりに大きすぎる世界で小さな自分の価値を見失い、全てがどうでも良くなってしまうこともある。そんな時になにを思えばいいのかということを教えてくれる作品。
にしてはバカバカしくて笑える!最高!
終盤の「戦い方」を学んだ後の1連のシーンで鼻ちょうちん出来るくらいズルズル泣いた。「レミーのおいしいレストラン」ほんと大好きだから余計に。あの辺でエブリンのカンフーが攻撃系じゃなくて防御一辺倒になるのも細かい良い描写だなと。
岩のシーンのセリフも印象的。何かが覆ると以前の事がどうでも良くなる虚無感って普遍的なんだね。
すごく壮大なsfの雰囲気なのに最後にひとつの家族内(隣人もいるけど)の出来事に収束するのがなんかチャーミングだなって。スターウォーズとかもそうだし。

どれだけ分岐しても失っても、逆に得ても、ブレないものが欲しいもんだね

1回目
前半の映像がとにかく楽しすぎる。
マルチバースの概念の説明も簡単かつシンプルで、序盤の間はアイデアに驚かされながらも楽しむことが出来た。
ただ中盤からはどのキャラがどの次元で、どの意識で動いているのか分からなくなり、やや混乱してしまった。
後半の家族愛SF的な展開はお馴染みと言えばお馴染みではあるものの、奇抜な映像表現や設定により感動的になっていた。

「おかしなことをする」ことが多次元の自分の力を借りるバースジャンプのトリガーになっている設定はめちゃくちゃ好き。「予定調和に逆らう行為」が自分の他の人生の分岐点と今を切り替えることの良いメタファーにもなっていると思った。
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