ギャス

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのギャスのレビュー・感想・評価

3.6
面白かった!
IMAX推奨。

予想以上の物量、情報量、社会的イシューを盛り込み、メタファーを考えさせて、単なるアクションエンターテイメント以上の仕上がり。爽やかな後味。

ネタバレ
彼女がなぜ特別なのか、の理由がとても斬新で面白かった。たくさんのことをどれもやり遂げられずにいたからこそ、そのそれぞれが成功した分岐世界を一番多く持つのが(最底辺の)彼女なのだ。つまり最強。
監督がADHDのエピソードを調べているうちに、彼自身がADHDであることがわかったという。彼も"なぜか失敗を繰り返してしまう"人だったのだ。

ラスボスはおじいちゃん(ジェンダー意識やJGBTQの壁)か。対する最終武器は最弱と思えた夫の目玉シール。それは、それを貼ることでモノにさえ人のように愛を注げる夫の「博愛」という武器だ。(彼は冒頭でランドリーバッグにシールを貼っていて「2階に置かれた方がハッピーだろうと思って」と言っていた)
そうしてエヴリンは娘を理解し受け入れたあとも、食べ物に気をつけて、など言いたいことを言う母としての自分も尊重する。
どんな選択をしても、それぞれを上手に「尊重」しあうことこそが解答だったのかもしれない。
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