特に意味のない名前

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスの特に意味のない名前のレビュー・感想・評価

5.0
出色の作品 賛否両論あるらしいけど否がある理由がもはや私にはわからなかった なにもかもが満点では?!?!?!

ストーリーもメッセージも演技も演出も最高だけど、まず突拍子のないマルチバースという設定と家族や人生っていう全体を通したテーマがちゃんと繋がってるのが異次元の技すぎる 

あと「B級っぽさ」の使いこなし方がすごいというか、バランス感覚のよさがまじ猟奇的。コメディってやりすぎると安っぽくなるし、SFも複雑すぎると飽きるけど「コメディだけど薄っぺらさはなく、手が込んだSFだけどわかりにくくはない」という針の穴を通すようなぎりぎりのところをずっと進み続けてて、これ脚本どれだけ凝ったんだろうかと思ったらいまレビュー書きながらちょっと泣けてきた。最初から最後まで「どうやって作ったんだろう」にあふれている

全部よかったんだけど個人的にジョイの役者さんがめちゃくちゃよかった この映画の役はどれも難しそうだけどジョイは特にどうやって取り組んだのか想像もつかない 脚本もらったとき絶望しなかったのかなとか要らない心配してしまう

TENETとかスターウォーズみたく「死ぬほど練った話だけど実際に描くのはほんの一部」みたいなテンションだったので理解できてないとこいっぱいある気がするけど、この作品はそれで別にいい気がした(というか、ふざけてコメディにしたところと、深い意味があるけどわざとコメディにしたところの見分けが正直つかないから考察しても無意味な気がしている)でも何回か観たら違う発見あるかもな〜と思うのでまた観たい すべてのシーンに「それをやって欲しいんだー!!!」が詰め込まれてる全編スタンディングオベーション映画