IkumiTutiya

すずめの戸締まりのIkumiTutiyaのネタバレレビュー・内容・結末

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

3.11をど直球に描いてる映画。
全体的にホラー要素が強い。
特に左大臣登場シーンは声が出そうなくらい怖かった。

あと、なんだか、すごくジブリっぽいよね。
なんでかは全然言葉にできない。セリフとかじゃないんだけど‥うーん‥

九州から瀬戸内、東京、福島、そして岩手へ。
女子高生すずめと大学生の椅子が、神さまネコを追いかけるロードムービー。
岩手から九州に来た僕とは逆ルートってところがもう‥僕に刺さらないわけがない映画笑

4号線ではなく6国を通っているのが嬉しい笑
ようこそ茨城へ!

色んな対比が散りばめられた作品だった。
一番グサッと来たのは、宮崎のどこまでも広がる海と岩手の堤防に塞がれた海。

そーなんだよ、本当にああなっちゃってるんだよ岩手の海は。全部がそうではけしてないけど、山田町のインター降りたすぐのところなんかは、うず高くそびえる堤防と重機で海なんか見えない。きっと以前は、高速から街に降りたら一面太平洋!さぞかしきれいだったんだろうと、思わずにはいられない光景。
そして堤防を登ってみると、やっぱりきれいな海が‥
とても切なかった。

九州の沿岸を走ってるとどうしてもそんな岩手の沿岸を思い出してしまうこの複雑な気持ちを映像化してくれたみたいで、もう心が揺さぶられまくった。

人々の生活が確かにあった廃墟で、かつての賑わいや日常に耳を傾けながら戸締まりをする。それを廃墟となった温泉街や遊園地で繰り返しながら日本をほくじょうしていく。
まさかこのまま東北行くのか?とおもってたら本当に東日本大震災の被災地でそれをやるとは‥

なんだか東北の同僚や友達、お客さんの顔を思い出して涙が止まらなかった。

原発で住めなくなった街、津波にのまれた街を真摯に描こうとしている作品。観る人によっては本当にしんどいと思うけど、その姿勢には賛辞をおくりたい。

これ東北で上映すんのか本当に?
被災してないなんちゃって岩手県民だった僕でこのダメージなのに。

でも、作品としては本当に素晴らしい。
徐々に明かされていく情報も自然に受け入れられるし、やりたいことを優先してうまく削れるところはうまく削ってて分かりやすい。

文句なしの今年一番になった。

強いて突っ込むならラストシーン、三陸鉄道乗るくらいなら盛岡あたりまで送ってもらったほうがいいぞそうたくん!岩手の不便さを見くびるな!そんなんだから宮崎着くのが冬になっちゃったんだぞ!

あーじゃじゃ麺食いたくなった。
IkumiTutiya

IkumiTutiya