切身

すずめの戸締まりの切身のレビュー・感想・評価

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
4.0
戸締まりってタイトルが前に向いてて良い。

2011.03.11 14:46

この時間を境にして人生が変わった人が日本にはとてつもなく多い。
わたしも今でもどうしても地震速報で動悸が止まらなくなる。
あと、そういう映像を見たり、そういう音を聞くと、それ以外なにも起こってないのに泣いてしまうようになってしまった。

家族が亡くなった訳でもないし、家が流された訳でもないのに、なぜか扉が開いたきり締まらない。一生付いて回るだろうなと思う。

中途半端に宮城出身だったりしてるから(「その日」は茨城に住み、茨城で仕事をしていた)、おそらく扉が半分開いたまま、結局落ちるとこまで落ちてもなく、締められる強い要素もなく10年以上経ってしまったんだと思う。

泣いてしまうのは、作中にもあったとおり、みんなの当たり前だった生活を想像してしまうからだ。
そしてその当たり前を自然界から人間の手で守ることのできない非力さを痛烈に感じる職業に就いている。

当たり前に感謝し、前を向いて進もう。
切身

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