ビーバーのしっぽ

すずめの戸締まりのビーバーのしっぽのレビュー・感想・評価

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
3.9
モノローグは無いし、MV的な劇中歌の演出がない。これまで新海誠を特徴づけていた視聴者と主人公が同じ主観目線になる、いわゆる縦目線の演出メソッドは目立たない。ディズニーに始まり、東映動画をルーツとするジブリ系の演出メソッドにかなり寄せてきている。

動きで笑わせるルパン三世を連想させるようにアニメートされていて、これが新海誠かと嬉しい驚き。アニメーション映画の完成度としては新海誠作品ではNo.1では?王道の演出なので、個性を感じないと感じる人もいるかもしれません。また縦目線は少なく、引いた視線での映像が多いように思えました。

#ドライブマイカー を意識したのかロードムービーと紹介されているけど、話としては典型的な冒険譚。ロシアの古いアニメ #雪の女王 あたりをベースに作成したんだろうね。 #魔女の宅急便 の前半もそうだろうなぁ、片渕須直演出のような季節感のある虫や花のオマージュも出てるしと思っていたら劇中で #ルージュの伝言 には驚いた。

キャラクターデザインが田中将賀さんでクレジットされてるけど、特に幼少期のデザインは米林宏昌監督を連想した。そういや前作では原画で参加されていましたね。

見ていて #シンエヴァ #岬のマヨイガ #若おかみは小学生 #カニーニとカニーノ #ジョゼと虎と魚たち (アニメ版) いろんな映画を連想してしまった。

演出のクレジットが5人くらい上がっていたのも驚き。
スタジオとしての総合力がランクアップしてるのでしょうか
次回作が今から楽しみです。

シネスコと聞いていので、グランドシネマサンシャインのBESTIA6スクリーンで鑑賞、このスクリーンはホワイトスクリーンに近い感じで手描きアニメと相性が良いと思います。音響はもちろん言うことなし。