SUGO6

すずめの戸締まりのSUGO6のレビュー・感想・評価

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
2.0
主人公は女子高生、可能性を閉じていく、ロードムービー風、な映画という新海さんの言葉と予告編。

入ってくる情報をかなり最低限にしながら、
どうなのだろうと期待と不安が入り混じる面持ちで拝見した。

正直本作自分はそこまで感情移入できなかった。





【⚠️以下ネタバレございますのでご注意を⚠️】






① 前作以上にセリフが説明的過ぎる所や、②背景描写が圧倒的に足りていない中で繰り広げられる展開に、はてながたくさん浮き上がり解釈が追いつかない状況で主人公の感情だけが先行する展開に、うーんという読後感しか残らなかった。。

① はどこまで共感されるかはわからないのだが、具体的にはすずめのリアクションがいずれにおいても言葉が多く、感情を説明しないといけない病なのかな、と思ってしまうほどだった。必死なのはわかるけどそこまで連呼するかな?という印象。説明しないことで説明する演出を、アニメーションだからこそもう少し抑揚をつけてもよいのではないのかな、と思ってしまった。そうたに恋するのも運命的な何かと初期の共同体験によってが大きいということなのだろうが、その後ほぼあの姿になってしまう人物に果たして命をかけて守りたいと思えるほどなのかな、と若干リアリティに欠ける気もしてしまった。(多感な年代ということで押し通した感がある種強いなと...まあその分ピュアでいいんですが)

② 主に大臣の登場に関わるのだが、いまいち解せなかった。要石であった大臣の封印を解いてしまったわけだが、最終的に大臣自身が災いの種を未然に教えてくれていた、という流れ(で合ってるかな?)だと思うのだが、途中までの思わせぶりな態度はなんだったんだ?、言葉少なにすずめに好意を抱き、そうたを敵対視していた意図など、あまりそこは解説もなかった気がする。(①を減らしてもう少しこちらを注力しても良いのではという。バランス...)中盤から突如現れる右大臣の存在(要石が2つなのであれば、大臣は左大臣の方が良くないのかな?という気も)、更に化け猫化してミミズと派手にバトルする所も、そこのなぜが説明不足なのでアクションにも納得性が欠けていた気がする。

新海さん作品は全部見ているし、読後感的には色々不可解な要素も含めて、「星を追うこども」と似た感じを得た。これまでと違い、1つのエリアにフォーカスせず、ロードムービー的に主人公が様々なバックグラウンドを持つ人たちと関わり、人生の歩を進めていく展開自体はとても面白いとも思ったが、ストーリーや様々なバランスを総合するとやはり個人的には君の名は。や言の葉の庭、がベストかなあと思った次第。(少なくとも、最高傑作と呼ぶには、疑問が付く印象だった)

心のどこかできっと何かを探している。君の名は。で描かれた様な強いメッセージを、何より自分は本作からは感じることができなかった。(他のレビュワーの引用だが、大人になっても青春を追体験できた、というあの体験は、本当に稀有で、自分にとってもとても貴重な映画だった)

興行面はどうなのだろう。これで100億行くのだとしたらちょっとびっくり。初速の勢いと口コミ次第だと思うが、作品評価というところで見ると個人的には80ー90億が妥当な線な気がする。

以上なり。
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