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すずめの戸締まりのmoeriのレビュー・感想・評価

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
4.1
ほんの少しでも生きたいって思うこと。
それは失われた命や日常を忘れることじゃなくて、受け入れて前を向くこと。

震災に限らず、日本は自然災害か多い国だと思う。
毎年日常が奪われる人がいて、いつ誰がそうなってもおかしくない。
一方、人の手で作られた町や施設が維持できなくなって少しずつ廃れていく場所が増えていく現実もある。
そうやって、強制的に人の命や営みが途絶えた場所に後ろ戸が開いて災いが地底から這い出してくる。

こう書くとすごく重いストーリーに感じるけれど、ちゃんと楽しい。
たくさんの要素を詰め込んでいるので、序盤の説明はほとんど無し。鈴芽と同じように、なになになに~?!って感じでストーリーに引き込まれる。

個人的には、鈴芽と草太の繋がりがもう少し欲しかった…草太さんのいない世界なんて、と言えるには、その手前で草太が鈴芽の核心に触れていてほしかった。

ダイジンは、予告を見たときはまどマギのキュウべえみたいだな…と思ってましたが、もっと愛らしかった…!
最後…!ダイジンのことを思って涙しました。
思えば日本の神様って、ちょっと構ってちゃんなところがあるなぁと思っています。ちゃんと祀られて手入れされないと荒れたり闇落ちしちゃったり。そうやって人々から親しまれたり繋がりがあることで、神様も存在意義を感じられるのかな…とか。だから鈴芽に突き放されたときにしぼんじゃったんだろうな。

初回はストーリーとダークホース芹澤くんに翻弄されて音まで聞けなかったから、次は落ち着いて観たい。
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