このレビューはネタバレを含みます
観た人にしかわからない感情というのはあると思う。
君の名は、天気の子と続いてきたけどこの作品が1番刺さった。冒頭から引き込まれ、あぁ、新海監督はこの作品が作りたかったんだな。と感じさせられる濃厚で重厚な話だった。
3.11をフラッシュバックさせてしまう緊急地震速報の音。映画だと分かっていても怖かった。でも、行く先の人々の優しさや椅子の動きのコミカルさ、情景の美しさが物語を暗くしすぎないものにしていて流石だった。クライマックス、草太が左大臣に向けて呪文を唱えるところ。被災者への鎮魂、追悼が込められているように感じて、自然と涙が溢れていた。東日本大地震は絶対風化させてはいけない。より心が揺れ動いた。また観たい。大切にしていきたい映画。
昔から、どうしようもない無力感を感じてしまう瞬間がある。どうにかできる人になりたいと強く感じることもある。新海監督が描く自然災害も、人の力ではどうしようもならないこと。でも、物語ではあるけど、命をかけて扉を閉めてくれたすずめちゃんがその気持ちを少し消化させてくれた気がする。
映画館をでて駅の前に現れた「行ってきます」の文字。（この映画のPR広告）こんなにも響いてくるもんなんだなぁ。
