み

すずめの戸締まりのみのレビュー・感想・評価

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
4.8
再鑑賞:2023/9/24

扉を閉じる前の"声を聞く"シーンは、災害の前に過ごしていた人たちの声。
東日本大震災は14時頃に起きていて、「行ってきます」が家族との最後の会話になった人も多いかもしれないと思うと、胸が締め付けられた。

鈴芽の無鉄砲さの所以である「死ぬのも怖くない」という考え方は、震災で母親を亡くしたことで、「生と死は紙一重で運だ、自分はたまたま生きただけ」と心の中で思い込んでいたから。
好きな人ができて「死ぬのが怖い、もっと生きたい」と気づき、常世で過去の自分にメッセージを伝える。
鈴芽の心情の変化が丁寧に描かれていて、他人からの励ましではなく、自分自身からのメッセージという伝え方も良かった。

震災の辛さとそれでも生きる人達、それをサポートする周囲の人達にもフォーカスを当てて寄り添っていて、とても良い作品だと思った。
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