極力、事前に情報を入れないようにしていたので、かなり重たいテーマを扱っていることにびっくり。新海映画は、これまでも自然の猛威を一つの題材にしてきたけれど、今回は実際にあった災害をテーマとしていて、思い出したくない記憶を呼び覚ましてしまう観客もいることを考えると、監督は相当な覚悟で制作したことが伺える。
やはり、新海監督ならではの映像美。
田舎であろうが都市部であろうが、その土地の良さを引き出してくれるような美しい風景が印象的だった。写実的なところも、フィクションでないような感覚を覚えさせる。
ストーリーとしても、環さんとの関係の中に、家族の話も盛り込まれていて、若い男女二人だけの展開に終始していなかった点も良かった。
1個だけ引っかかるのは、
いくら草太がイケメンとはいえ、すずめが、あれほどまで追いかける動機がいまいち掴みきれなかったところ。登校時にすれ違った後、一緒に扉を閉めてからすぐに草太は椅子に変えられていたし、北上していく中で心を通わすやり取りがあったと行間を読んだとしても、納得できないというのが正直な感想。
常世での既視感による親しみやすさと整理したい。
