スティンプソンGon

すずめの戸締まりのスティンプソンGonのネタバレレビュー・内容・結末

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

なんでダイジンが小さくサダイジンが大きいのか気になっていた。考えたのはおそらくあれは人々からの記憶というか想いみたいなものの違いなのではないかなと思った。
調べると宮崎では大昔(887年)に大きな地震があって多くの死者を出していた。例えばその時に閉めた扉の要石がダイジンだったとするとその当時のことなんて誰も知らない。あの廃墟の土地でさえも何かの災害によって放棄されてそんなに経っていないにもかかわらずあの土地の記憶を持つ子がいないから
信仰が弱まっていてダイジンの力がそもそも弱まっていたのではないだろうか…
(逆に関東大震災は今でも話に出るくらい知ってる人は多いし首都での地震ということもあって認知も高いからサダイジンはでかい)
でも土地の記憶と災害の記憶は結び付くから戸締士はその地の人々を想いその人たちの代わりとなって鎮めているのではないかと思った。

映画全体はなんとなく星を追う子どもでやりたかったことをみんなにわかりやすく伝えられるようにアップデートした作品という印象だった。凄くストレートだけれど根底にあるそれぞれの鬱屈としたものが時折覗くいい塩梅の映画で見やすかった。

震災をテーマにこの作品を描いたことがすごいと思った。
ある意味皆が共有できる歴史的事象を描いてくれたことが嬉しい。自分もこの歴史を生きているんだとなんとなく思う。
今年公開したベルファストと同じような作品だと思う。ある意味映画の中に生きることができた自分にとって初めての作品だと感じた。(伝わるといいなこの感覚)