ゆず

すずめの戸締まりのゆずのレビュー・感想・評価

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
3.8
建築物を建てるときは“地鎮祭”をしたり餅撒きをしたりするのに対し、使わなくなるときには何もしない。人が亡くなったときはお葬式で故人を悼むけれど、大切だった場所が失われていく中で僕らは何ができるんだろうと。
人が使わなくなった廃墟に現れた“扉”、日本古来の芸術表現について書かれた本に出てきた言葉から“後ろ戸”という名前を本作では使っているが、これを閉めていくというイメージも、“場所を悼む”というイメージからの連想で生まれた。

企画を考え始めたころに一度実家へ帰省したときに、人気のないバス停にひとり掛け用の木製の椅子がポツンと置いてあったのがずっと印象に残っていた。

『海辺のカフカ』
『かえるくん、東京を救う』。主人公のかえるくんが新宿の地下深くにいる巨大なミミズと戦って地震を防ぐといった話。
『魔女の宅急便』ルージュの伝言のシーンでは、クロネコヤマトのトラックが後ろを走り抜けている。
旅先でいろいろな女性に出会っていく構造。
少女の自立を描いているわけだが、旅の途中、キキが宅急便の仕事の中で出会う他者が実はあらゆる“未来の自分の可能性”でもあって。子どもができた自分、おばあちゃんになった自分、絵描きを仕事にした自分、色々な他者に出会うことで自分自身を再発見していくという。

AKIRAの赤ちゃん
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