今回も期待通りの作画の綺麗さで、設定資料集とか背景画集とかみたいな〜〜ととても思った。今まではあまり敵という敵も出てこず、ちょっと悪くいうと綺麗なだけの世界観だったから、今回ミミズとかいうあまりにも禍々しい存在が登場して目新しさを感じた。ああいう人智を超えた巨大な"何か"の得体の知れない怖さがとても好きなので、下手にキャラクター性を持たせず災いそのものとして描いてたのもとても良かった。地震という日本ではかなり身近な恐怖をテーマにしててデリケートな部分も多いと思うから、変にミミズに人格を持たせて何かを語らせるようなことをしなかったのは非常に英断だと思う、、。
更に特筆すべきは、キャラクターの魅力。新海誠作品は好きだけど、出てくるキャラクターにあんまり魅力を感じたことは無かった。けど今回草太と芹澤があまりにオタクにぶっささりキャラすぎて、こんなの好きになっちゃうよ、と。芹澤に関してはあまりにも都合のよすぎる動きをするけど、それにも目をつぶりたくなるほどにオタクの目を釘付けにした。芹澤はおそらくすずめリピーターの生産にかなり貢献しているだろう。
前述した通り正直フィクションとはいえあまりにもご都合展開な所が多すぎるという気もした。個人的にはご都合展開自体は嫌いではなく、それを上回る感動、ドラマチックさがあれば何も問題ないと思う。（むしろそれがエンタメの醍醐味）ただすずめに関しては、ちょっとその域を出てくれなかった感じがした。ただ普通に楽しめたし、話題作になるのも納得の力の入った作品だったので機会があればまた芹澤リピートしたい。
