ゆ

すずめの戸締まりのゆのネタバレレビュー・内容・結末

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

記録用
2回みた、DVDを買った、それくらい好き

Aパートというのかな、タイトルが出るまでの約20分が最高に好きです。
「君の名は。」は劇場で観ましたし、面白いと思いました。
「天気の子」はTV放送されたものを見ましたし、面白いと思いました。

ただ、個人的な感性から、新海監督の作品は、積極的に自ら、劇場へ足を運んでまで観るより、ベッドに寝そべって、夜中に、初夏や晩夏のどこかスッキリとした綺麗な空を思い浮かべながら観るのがしっくりくるような気がしていて。
今作に関しては、正直、TV放送で冒頭20分の公開がなければ、劇場まで足を運ぶことがなかっただろうと思います。
冒頭20分公開があったことで、素晴らしい映画を劇場で見る機会を得ることができました。

何事も決めつけは良くないと少し自省しました。

物語を動かすという点で、序盤に主人公が、要石を引き抜き、さまざまな問題を引き起こすこととなっているようにも思います。
要は、何というか、実は壮大な自業自得というか自己満足のお話とも言えるのではないか、という性格の悪い考えが浮かんできて仕方ありません(笑)。
パラレルワールドとかそういう考えをフル無視している作品なので、扉の向こう側、常世の世界に、幼い頃迷い込んだ際の経験がある時点で、主人公には、この物語を紡ぐ運命が決定されているとも言えるわけですが。

悪気なく開けられた扉だってあるだろうし、後ろ戸が現れるのはどうしようもないことかもしれないけれど、継がざるを得ない家業を背負った人の、「大切な仕事ほど人から見えない方がいいんだ」という台詞は、とても切なく聞こえました。子どもに言い聞かせるような優しい言い方だからこそ尚更。
相手は高校生の少女ですし、尚更「説く」というような方向性になりがちなのではないかと思うのですが(特に教育系に進んでいるのもありますし)、ここでは、優しく語って聞かせるような印象があって。何というか、自分にも言い聞かせているのかな、どうしようもなく切ないよな。切なさと孤独感に苛まれる旅路で、トラブルメーカーではあっても、何とかしようと必死になれる主人公が一緒にいて、1人じゃなくなるなら、そりゃあ心的に許容しやすくもなるよな、なんて邪推したりしてみたり(笑)。

深く考えれば考えるほど沼にハマっていく作品のように感じます。

東京都内の上空にミミズの全体が浮かぶシーンの音響が1番すごいと思いました。あの、絶妙に不安感を煽りつつ、神秘性を出す感じが、本当に。神秘と不安って神秘があるからこそ、不安が生まれるって感じにもなるのかもしれないけど、それを音で表現することって、めちゃくちゃ難しいことだと思います。
なのに、あんなに綺麗にピタッとハマる音が出てくるのって、本当にすごいなって……。(何様)

「カナタハルカ」は、じわじわ好きになりました。味わい深い曲だな、と思います。
当初は、オープニング(Aパート?)が好きすぎて、「すずめ」の方をよく聴いていたのですが、いつのまにか逆転していました……。切ない中に優しさを感じる曲で、この曲が最後に流れてくれることへの安心感がすごいな、と思います。

(以下再考中)

本編の舞台が進行する時間に合わせて観る時間を取れなくて残念だった〜😢
ゆ