ODANGO

すずめの戸締まりのODANGOのレビュー・感想・評価

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
3.7
この題材を映画にしたことが、まずすごいことだと思う。“勇気”なんて言葉で、一言で、言えるものではない。
この映画が観る人にとって、どんな意味を持つのか。1人の生み出す者として、世の中にこの作品を送り出したこと。頭が上がらない。

そして災害ではないが病気により家族の喪失を経験したものとして、また震災による心の影響をかなり受けてきた者としての、私という1人の人間として観た時、正直かなりしんどかった。観終わった後、ズン、と心に重しみたいなものが残った。
大切な人を失った悲しみや、トラウマや、理解できないショックは、どんなに時間をかけてもなくならない。向き合い方や、心の持ち方、色んな人や場所との出会いで、時間が重なっていき、少しずつ変化して、苦しいと涙が出る時がありながらも、それらと一緒に生きていく。

思い出し、痛み、しかし再び飲み込むんだ。どうにか今日を生きようと、形を変えて、手の繋ぎ方を変えて。

辛かったけど、アニメーションにして、多くの人に届けてくれてありがとう、と伝えたい。
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