新海誠監督・脚本・原作作品。
宮崎県で叔母と暮らす女子高生・鈴芽は、ある日廃墟を探している青年・草太とすれ違った。そのまま学校に向かっていた鈴芽だったが、草太の事が気になり、草太が向かったであろう廃墟へと走った。
その廃墟で鈴芽は、水溜りの中に佇む扉を見つけた。
この作品には、東日本大震災の地震や被災地などが描写されています。さらに、緊急地震速報のアラートが割と頻繁に鳴ります。
なので、震災経験者は所々辛いと思います。
面白かったのは、扉から出てくるミミズによって引き起こされる地震を防ぐために、ミミズを見つけては扉を締めて地震を防ごうとするとこ。
諸事情によって宮崎から四国、東京へと行く羽目になった鈴芽ですが、行く先々でミミズと遭遇。地震を防ぐためにを締めて回ります。
この扉を締めるミッションが毎回面白かったです。簡単に終わらせてくれないのワクワクしました。
このあたりで良かったのは、旅の道中で鈴芽が出会う人々が優しく、温かかった事。助けた事で助けられ、親切にされた上、心配までされます。
良い人達と巡り合えましたね。
子供の面倒見ながらのスナックは大変だろうな。
全体的に話は面白いです。ただ、震災関連の描写が辛すぎるため、私自身2回目見るのを躊躇っています。
まずは緊急地震速報のアラート。あれ怖いですね。これだけで震災が思い出されます。だから怖いと感じるのでしょう。
怒る人がいそうなのは、宮城へ行く道中で見た海沿いの町の風景に対しての表現。
震災経験者ならこうは思いません。もとの風景とこの場所で起きた事を知っているので。
だけど震源地から離れていて、震災を軽く捉えている人は、もしかしたらそう思うのかもしれません。
一番辛かったのは終盤。
鈴芽は常世に入り、ミミズを鎮めるためにその場所にいた人々の声を聞きますが、それが何気ない光景なんです。
これだけでは「何が辛いのか」と思いますが、「鈴芽が扉を開けた場所」「常世という所」を踏まえた上で「そこで聞こえた声」というのを考えると、非常に心が苦しくなります。
当然なんですが、あの日、あの場所でも、普通に1日は始まっていたんですよね。
震災要素が強すぎて私は何回も見れませんが、震災を知らない世代には見てもらいたい作品ですね。
全てではなくても、震災経験者の気持ちを少しでも分かってほしい。