MasterYu

夏へのトンネル、さよならの出口のMasterYuのレビュー・感想・評価

3.2
とある田舎町で噂される「ウラシマトンネル」。中に入ればなんでも欲しいものが手に入るが、その代わりに莫大な時間を失うという。
高校生の塔野カオルと転校生の花城あんずは、偶然見つけた「ウラシマトンネル」を前に、お互いの欲しいものを手に入れるため協力関係を結ぶが・・・。

ジュブナイルSFファンタジー。
う〜ん、とても青臭い。
でもそこがいい。
ティーンエイジャーに向けて発信した作品であろうから、青臭ければ青臭いほどそのメッセージ性が強く押し出される気がします。

不思議な事象を扱う場合、その謎を追求するのか、そこは無視して進んでいくのかのどちらかになりますけど、潔いほどに高校生の成長譚に振り切った設定は、当然のことながら後者を選択することになります。
それを考えると少ない登場人物に絞っていたのはよかったし、無駄にダラダラしない尺の長さは正解だったと思います。
惜しむらくはカオルの最後の選択のシーンの情緒が足りないところ。もう少しカット数増やして感情の変化を明確に表現してもらいたかった気もします。

作画は綺麗だし、印象的なシーンの色使いもいい。
鈴鹿央士と飯豊まりえの声当ても違和感なく。
高い年齢層は、こそばゆい感覚を覚えながら観る羽目になること請け合い。
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