亜稀

夏へのトンネル、さよならの出口の亜稀のレビュー・感想・評価

3.9
一夏の塩辛い(いい塩梅の)青春ストーリー...
不思議なトンネル『ウラシマトンネル』と、ビニール傘が繋ぐ少年少女の出会い...

過去に囚われた塔野と、『特別』な存在になりたい転校生の花城...2人の出会いはある雨の日の駅だった...
彼らは最初はただの顔見知り...しかし、『ウラシマトンネル』と関わり、お互いを知り少しずつ惹かれ合う。彼らは、『トンネル』に何を求めるのか...塔野の過去とは?『特別』になりたい理由とは?彼らのかけがえの無い時間が、刻まれていく...

【感想】
一言で言えば、「素晴らしかった」。
作画が細かく3D映像との組み合わせ自然で、見ていて引き付けられた。効果音を多用しており、よりリアルで身近な作品に感じられた。
ラノベであるからこそのSFストーリー性で、良くも悪くも有りきたりと言えばそれまでだが、しっかりとした土台となる設定があり、進んで行った。80分という短い時間であるが、映像が、台詞が情報を与えてくれている。これからの彼らの人生において、大切なもの、「捨て」たくないもの、「捨て」てはいけないもの。そういったことを、彼らが葛藤し、見つけ、未来へ進む姿に感動をした。
「時間」という絶対的な流れ、それを利用した作品作りは、今まで見てきた作品の中でも、この作品はかなり好きな部類に入る。
主題歌、挿入歌共にこの作品と組み合わせることで、より相乗的に素晴らしいものとなっていた。

面白いし、1度は観た方が良いと勧めたくなる作品です。
機会があったら、何年後かにもう一度スクリーンで観たいですね。

P.S.
来場者プレゼントの『その後』が書かれた小説も面白かった。
亜稀

亜稀