レスリー

生きる LIVINGのレスリーのレビュー・感想・評価

生きる LIVING(2022年製作の映画)
4.0
ゾンビとミイラとどっちが嫌かな?

さすがのカズオ・イシグロの脚色が素晴らしい。
オリジナルを損なうことがなく、新たに生まれ変わらせている。

オリジナルは古く、古い昔の映画にあるように声が聞き取りづらい部分もあるし、さらに当たり前だが、白黒だった。ストーリー面でも、時代の違いもあるが、オリジナルのお葬式のシーンは違和感があった。
逆に言えば、主人公が飲みにいく日本独自の歓楽街の雑然とした、猥雑な雰囲気が消えている。
さらに言うと志村喬のギラギラ感がない。

イギリス版は、それらの多くを解決している。警官の話を最後に、しかも公園のところに持ってきているのも素晴らしいし、若い二人の活躍も良い。

もし日本版と比べたいなら、2時間を超えるオリジナルを先に見た方が、良いと思う。
イギリス版を先に見ると冗長に感じるかもしれない。
いずれにしても、イギリス版だけでも十分素晴らしい作品だった。
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