若色

東京2020オリンピック SIDE:Aの若色のレビュー・感想・評価

東京2020オリンピック SIDE:A(2022年製作の映画)
3.1
短期間ではあるけど、オリンピックに従事していた経験があるので、内情をバラすと、今回観たサイドAについては、河瀬クルーが撮ったオリンピックの競技中の映像はほぼないと思う。オリンピック専属プレスが撮った映像をお借りしているだけだと予想します。
それはそれでもいいのだけど、そうしてできた河瀬監督作品は、NHKがやりそうな5秒程度のスポーツ名シーン:スーパースローを紡ぎ合わせた映像になってしまい、正直飽きる。
このサイドAを通して監督がなにを伝えたいのかがわからないのだ。
あえて言うなら女性の権利だったり、内戦をくぐりぬけた選手の背景だったり。
でもそれも主張が伴っていないからか薄っぺらく感じてしまい、観客の私にはイマイチ入ってこない。
柔道チームへの異様な顔面ズームは面白くなってしまって、もし河瀬監督へのインタビューの際、勇気のあるインタビュアーがいるなら、何故のアップなのか聞いてもらいたい。
河瀬監督ガチで怒りそうだけど(笑)

でもわたしはこう考えることにした。
これはSIDE:Bの長い前置きである。と。
いうても河瀬直美監督はドキュメンタリー監督ではないし、オリンピックに対して社会的な意見は持ち合わせていないだろう。どちらかというと自然や母性を丁寧に描くエモい映像が得意な監督さんに、この企画は酷でしたよね。それでもグレることなく、国家施策の記録映像作品をよう作り上げたなと思いました。偉いです。

でも、これはサイドBへの長い長い長ーい前置きなんですよ!!!きっとね。

オリンピックで働いてた身として、涙なしには見られないサイドBなのです。

きっとね。
若色

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