ハッピードリンクストア

東京2020オリンピック SIDE:Aのハッピードリンクストアのレビュー・感想・評価

東京2020オリンピック SIDE:A(2022年製作の映画)
3.5
いわばオリンピックの卒業アルバムのような作品でしょうか。競技者の苦悩や勝利の喜びがちゃんと伝わってきて、良いドキュメンタリーだったと思います。
これがオリンピックの記録映画である以上、やはりまずアスリートの視点を記録したのは正しいと思います。そう、この作品は河瀬監督というアーティストの美的、知的好奇心から生まれたのでは無くてオリンピックの記録映画なのです。色々な立場のアスリートがいて、それぞれに人生があってこのオリンピックがどう影響したのか。そしてそれが社会的にどう存在したのか。全て描くなど、そもそも不可能でしょう。オリンピアンは全て非凡でそれぞれで一本の映画が作れてしまうような存在なのですから。その上で、一本の映画で百年後にこのオリンピックはどういうイベントでしたと嘘をつかずに語らなければいけません。空虚なイベントでもそれに賭ける人達は真実でしょう。

個人的に女子10000メートルの選手のエピソードが何故かめちゃくちゃ感動してしまい、泣きました。