さなchan

エンパイア・オブ・ライトのさなchanのレビュー・感想・評価

エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)
3.8
ヨーロッパの重厚な単館映画館、60〜80年代のインテリア、自然光に溢れたノスタルジックな海岸や並木道。どの映像も美しく、スクリーンで見れなかったことが本当に残念。
劇中に登場する80年代の本も音楽も映画も、すべてがツボでストーリー以外にも見どころ満載。

ストーリーには、様々なハラスメントや心の傷が登場します。深堀りせずにさらっと描かれてますが、そこに感情移入した人にとっては少ししんどい映画かもしれない。
ストーリーの主軸を言うだけでネタバレになるので控えますが、ヒラリーの気持ちがそう動くのは理解できるとしても、スティーブンはなぜ?
もし私が監督なら、早くに母を失って叔母に育てられたスティーブンという設定にして、最もらしい理由付けをするところ。
日本人だから理解できないところもあるのでしょうか?
もしもこれを邦画で作っていたら、爽やかな友情物語にでもなっていたのではないかと。

ストーリーにはそんな受け入れ難いモヤモヤがありつつ、ラストシーンまで一貫して印象的で美しい映像。
もう一度見返したくなりました。
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