shuna

ティルのshunaのネタバレレビュー・内容・結末

ティル(2022年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

現実は残酷だ。こんな痛ましい事件が起こったなんて、生前の面影がなくなってしまうほどの姿になってしまうなんて。それなのに加害者はお咎めなし。むしろ悠々自適な毎日を送っただなんて信じられない。エメットの殺害から67年経った2022年にやっと反リンチ法が成立しただなんて遅すぎる。けれどこれが現実。私たちはそれに向き合わなくてはならない。

公民権運動のことはなんとなく知っていたけど文献で一部読んだくらいで、このエメット・ティル殺害事件が背景の一部にあったことを知らなかった。人種やジェンダー、様々な観点から平等・公平な世の中を求める声が近年強まってきて、それに伴う映像作品も増えてきた。けれどここまで心の深くまでどっしりと響いたのは初めて。単なるトレンドやお祭りで終わらないように、まずは歴史を知らなくては。

今ある自由も誰かの屍の上に成り立っている。それを心に刻んで、アジア人としてどう未来を拓いていくべきか、考えないといけないなと思った。
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