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TAR/ターのgucciのレビュー・感想・評価

TAR/ター(2022年製作の映画)
3.7
冒頭、スタッフロールが流れる様は昔の邦画の様だなと、ぼんやり考えながら字幕の出ない歌を聴く。最後まで観て意図が分かったけど、最初は不明。世界の最高峰に立つということは精神的にも肉体的にも常に神経がむき出し状態であり、妬み、嫉みが渦巻き、一挙手一投足で問題になったり、噂が広まり、今の様なSNS時代には今まで詰んだキャリアも一貫の終わりという事態。恐ろしい時代だなぁ。上り詰める努力は今も昔も変わらないのに。ただ、上り詰める人だけに部下や他人に厳しく、非常な決断もさらりと下す。だから憎まれる事も珍しくない。そして、練習を積み重ね死ぬほど努力が必須の分野でYouTubeで見て覚え、天才的に演奏し、人前で感情を爆発させることを厭わず、常に携帯をいじり、物事の善悪も考えず呟くZ世代の邂逅が、意外にも混ぜるな危険という。これには恐怖を覚えた。ケイト・ブランシェットの演技は素晴らしかった、が、説明が少ないので、出てくるキャラが不明な人も。
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