せいけ

TAR/ターのせいけのレビュー・感想・評価

TAR/ター(2022年製作の映画)
5.0
映画としての完成度は圧倒的
研ぎ澄まされたクールな撮影と天才指揮者リディア・ターを体現してみせたケイト・ブランシェットの演技力に一義的でない脚本が織り重なる
現代的なテーマとアート性が高次元に融合し見たことない映画に感じられた
キャンセルカルチャーという題材をレズビアンを主人公に扱うことはリスクもあっただろうがそれゆえに個人的にはフラットな視点で見ることができた
これが男性主人公だったらどう見えたか
ビジュアルの鮮烈さと飛躍していく展開に魅せられながらもリトマス紙の如く、自分という人間が炙り出されてくるような
すべてのシーンにさりげなく意味が込められているであろう、作り込まれた作劇に何度見ても違った解釈を得られそう