けんち

TAR/ターのけんちのネタバレレビュー・内容・結末

TAR/ター(2022年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

注意《重度のネタバレ》《考察》《長文》
オープニングのクレジットテロップであれっ?となったのがまさか伏線になるとは思わなかった。みなさんの考察をみると色々解釈ができる作品のようで噛み締めて再視聴することにする。

 個人的には人間性と作品は関係ない派なのでバッハ並みに惚れやすい主人公も傲慢もナシじゃないと思う。ターは力技だし傲慢も過度だし、責任回避する為の誤魔化しが稚拙だし最悪でとても楽団を率いる能力があるように見えない。
 結局ベルリン大好きおじさんが楽団の真裏ボス・元カノと結託して彼女を嵌めたんだと思って見てた。オルガもベルリンおじさんが送り込んだ人で家バレしたくないから廃墟に入って撒いてる。
 ベルリンおじさんなら立場的にター好みの顔面とテクニック持った人を見つけれるし、学生たちから動画買って編集できるし、元カノにあいつ浮気するぜ。って言える。んで退団したくせにしれっと正指揮者に格上げや!
それに気づいたから人前で殴ったのかなと。

 “マッサージ店”はただ女性の人権を語る彼女には辛かったろう。初期衝動を思い出し、まだ“高潔”でありたいけどもう若くもないし恋愛は無理そう。『買うか?』と頭によぎった自分が気持ち悪くなったのかなと。
 あれくらいの年齢になるともう自分の思想は変えれない。そこに反省はないだろうし対決するものは自分の中にあるものかなと。
 ともあれやり方を変えても、音楽に向き合い続ける覚悟と高潔さだけを自分の尊厳にして生きていこうと決めたのでした。という終わり方だと思った。ラストシーンで最初のクレジットテロップの疑問符が解決してニヤニヤしながら帰った。わりと中央に堂々とカプコンって書いてあったんだよ。
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