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TAR/ターのWTRのレビュー・感想・評価

TAR/ター(2022年製作の映画)
4.2
題材・テーマ:0.9
キャスト・演技:1.0
映像:0.8
脚本:0.7
テンポ・編集:0.8

ケイト・ブランシェットの凄まじい演技に圧倒された。

賛否が分かれているというエンディングについては、自分は明確に不快感を覚えた。
しかし、他者のレビューをようよう見て分かったのは、どの主点で鑑賞するかに寄って、この作品の見え方・感じ方が180度変化するということ。
自分の場合、冒頭から主人公と同じ目線に据えられたためか、「凡才が天才を殺す」というテーマに引っ張られたが、はたまた主人公を客観視すれば、「権力者への制裁」としても違わない要素が確かに盛り込まれていた。
その意味でも冒頭の怒涛の会話劇が展開するパネルシーンは、観客自身の理念や心理を準備させる重要な要素だった。

(大好きな)トッド・フィールド監督の計算された企みが垣間見える、圧巻の作品だった。

ハラスメントの定義は未だ答えが無いが、90年代に育った身としては、自分を高めてくれる厳しい師はやはり存在していて欲しいのが本音。
自分も予備軍ということか、危うい。
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