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正欲のWTRのレビュー・感想・評価

正欲(2023年製作の映画)
2.5
題材・テーマ:0.6
キャスト・演技:0.4
映像:0.7
脚本:0.4
テンポ・編集:0.4

テーマの深層部には重大なものを秘めているものの、特異なモチーフを扱い切れておらず、結果、ありきたりな論調に終始している。
ストーリーに「登場人物の目的行動」が欠如しており、それぞれがウジウジと感傷に浸っているだけ。サブキャラもステレオタイプな者ばかりでとにかくダサい。
これでは観る者の心は動かない。

特異な性癖を持つ苦しみ、固定概念に囚われる悲しみなど、物語としてもっと伝え方はあったと思う。

映像は丁寧に撮られていたが、臭いセリフや演技、キャラクターの作り方からしても、結局は制作者側の自己満足が透けて見えた。

原作は読んでいないが、高く評価されていることを鑑みると、「本の描き方」「映画の描き方」が噛み合わなかった、これこそ「映像化失敗」の典型かと。
期待していただけに残念。
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