驕れるものは久しからず
マイノリティやジェンダーで上手い事カモフラージュされているけど、基本的には、男女関係なく権力を持った人間の驕り、そして果てしなきエゴのぶつかり合いを描いていた作品。
もう、マウントの取り合いをずっと見せられていた印象。
いつもながらの顔圧を伴ったケイト・ブランシェットの芝居に圧倒される。そんな彼女の圧が、ターの華麗なる経歴に説得力を与えているのだけど、ター自身は決して人間として成熟しているわけではないというのが今作のポイント。だからこそ、観ている側にはこの物語にリアリティを感じるし、特に後半の不穏な展開にのめり込んでしまう事になる。
立場の差を傘に着て、ハラスメント、搾取をくりかえしているような高い地位にある人達に、是非とも観てもらいたい作品だけど、きっとそんな人は、今作を観ても「コレ自分の事だ…」とは気づかないのだろうなぁ…。
