teramovo

TAR/ターのteramovoのレビュー・感想・評価

TAR/ター(2022年製作の映画)
3.6
このスチールの感情的なアングルが大好きで、観た。
後々調べると何枚かスチールがあって、マエストロとしてのリディア・ターの写真、ターの内面が表現された写真などスチール写真としても素晴らしい上に物語を知るとより深みが増す良いスチールだった。スチール抜群にいい。

天才女性指揮者のプロフェッショナル仕事の流儀みたいな姿勢が強くて、一人称な映画だった。一人称な映画なのにターに大きく共感する映画でない。ここは面白かった。第三者の視点が入り、クリスタの動向が分かる。音楽的には絶対であるターに疑いのフィルターをかけて観続けてしまう。
どの目線(加害者としてのターと天才指揮者としてのター)で観てるかによって随分ジャンルの変わる映画だった。
私は前者として観ていたので、音楽の蓑に隠れて性的搾取を繰り返す姿からの凋落は良かったが、後者としての観られ方もあるのでどっちつかずなオチであまり好みではなかった。

多分ノエミメルランが出てきた時点でもう前者になってた。好きやもん。
teramovo

teramovo