モモ

TAR/ターのモモのネタバレレビュー・内容・結末

TAR/ター(2022年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

好き、何回も見たい。

ベルリン・フィル初の女性マエストロというレッテル、その権威と重圧にのまれていく様。徐々に心を闇に蝕まれ、誤った判断を下してしまう。(あの表情すごかった〜)。

でも映画業界とかでもよく聞く話で。権力、支配、搾取。リディア・ターはマッサージ店で自分がやってきたことに気づいたんだろうか。

輝かしい地位から引き摺り下ろされたあとは、異国の地で若者ばかりのコンサートに立つター。再出発はこれまでの伝統やブランドでなく、次世代に音楽の喜びを伝える方へ舵を切ったのかな(彼女のルーツと思われるビデオを見て涙したり、作曲者の意図についてオーケストラに自ら語る描写もあったので)。

プロダクションの設立や、映画界の問題にも度々言及しているケイト・ブランシェットが演じたことに大きな意味があるように思うし、彼女にしかできない役だった……。最高。

ケイトって普段オーストラリアのアクセントなのに、ドイツ語とアメリカ英語を流暢に切り替えてあの長台詞を回してるのがすごい……しかも演奏のシーンも全て本人らしい……。
あとターのお洋服とインテリアがとても素敵だった、真似したい。

「リディア・ターに叶わぬ夢などなかった」(パンフレットより)
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