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TAR/ターのRgNのレビュー・感想・評価

TAR/ター(2022年製作の映画)
2.5
今まで観たケイトブランシェットの出演作は全てそこそこ当たりだったので期待していたが、今回ばかりは、、
とりあえず「映画史に残る衝撃のラスト」という宣伝文句は撤回してほしい。

オープニングからして風変わりで、あ、苦手なやつかも、と思ったら予想的中。あらすじを読み、「セッション」のような映画をイメージしていたら全く違った。冒頭の観客置いてきぼりの長時間クラシック談義が意味あるシーンなのは分かるが、さすがに何の知識もないど素人には疲れた。
音楽に造詣が深い人なら楽しめるのかもしれないし、映画評論家には刺さるのかもしれないが、映画はあまり頭を使わずに観たい派の私には全く響かない映画だった。

ターを善人にも悪人にも描かない絶妙な感じは良かったようで悪かった。結局クリスタに起こった事など、全ての出来事は最後まで曖昧なままで、どっちだったんだろう、と想像を膨らませるしかない。これも、解釈は観客に委ねます系映画があまり得意ではない私に合わなかった。

音大生を論破するシーンはサイコーだったけど、あれが見方によってはパワハラになってしまうのか。切り取り動画による告発は、昨今の安易な告発系動画への警鐘かな。冒頭シーンとこのシーンの長回しはすごかった。

ケイトブランシェットの鬼気迫る演技だけが見ものだった。ブルージャスミンの時も思ったけど、精神イッちゃってる系の演技がとにかく上手い。
ドイツ語は分からないが、ドイツ語の発音も綺麗だった気がする。どうなんだろう?

もう一度観たらきっともう少し楽しめる気はするけど、観る気にはなれない、、
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