Riccardo

TAR/ターのRiccardoのレビュー・感想・評価

TAR/ター(2022年製作の映画)
2.7
➖ケイトブランシェットの演技に騙されるな。題材の音楽が置いてかれた作品。➖

あくまで個人的な意見だけど、これは決して音楽映画ではないです。
確かに専門用語も飛び交うし話の中心もオーケストラだけど、曲はほとんど冒頭か聴いてほしい部分のみ、肝心の劇中で作曲していた曲もほとんど明かされず。
とにかく会話✖️会話を重ねまくってそこから人間味などを組みとってねと、訴えかけられた、いやそこまでもいってない、ただ投げやり。

例えばデイミアンチャゼル監督さんの“セッション”は音楽に対して向き合っているだけのシーンで俺たちに読み取らせてくれる。“ララランド”もやっぱり曲に全てが込められてる。
もちろん作品は比較するものではないし、作風も全く違うけど、俺個人には”オーケストラ“はうるさ方が特に多いからオリジナル曲をたっぷりやったら評価されない、と逃げたように見えてしまった。いや違うな、むしろ見てるやつらなんてどーせ大半わかんね〜だろと蔑んだ、ここにも皮肉があるんだろ。

ケイトブランシェットさんの演技凄まじいけど、自分みたく音楽を求めて見ようと思う方は期待しない方がいい。ここ重要。

そしてもう一個言いたいのは、さっきも上げたけどあらゆる要素の皮肉をばら撒きすぎ。全く回収し切れてない。回収しても結局会話で巻き上げるだけ。映画やで?映像をもっと駆使しないと。
オーディションも全然聴かせてくれへんし、”蚊帳の外“に勝手に出された気分。

–おまけ–
あっ、忘れてた、俺ロックが好きなんやった。そりゃこの作品と合わへんわ🖕
(本物のロックって実はオーケストラと繋がり深いんだよ ボソッ)
Riccardo

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