Tomo

TAR/ターのTomoのレビュー・感想・評価

TAR/ター(2022年製作の映画)
4.8
🇺🇸レヴァインとデュトワはとばっちり🇺🇸


アマプラ無料配信になって観たので劇場
含め5回目の鑑賞。
というくらい、今年公開された作品の中 
ではNo.1の作品。


『私、世界最高のTarだけど、なにか?』


という位、傲慢で威圧的で独善的。
Bフィル首席cond.として権力を振り翳
し栄光を掴むが、あるきっかけから全て
を失っていく。


Tar演じるブランシェットの圧倒的な快演
は、もはや言うまでもない。
ここまでくると爽快。

オケの演奏シーンは、実際にブランシェ
ットが楽団に指示だす形で行われたって
いうんだから、タクトさばきも本格的な
わけだ☺️


ブランシェットはともかく、この作品の
魅力は何といっても脚本!
難解な伏線、数限りなく散りばめられた
皮肉や嫌味がとにかく面白い♫

クラシックやオケを少しかじった人なら
ニヤっとしてしまうかもね😆


バーンスタインを師とするTarが、Bフィル
の帝王カラヤンになっているところは、スト
ーリー上最大のアイロニー。

副指揮者の解任、cp演目の決定、気に入
ったチェリストの登用などTarの独断は、
カラヤンが客演指揮者を登用せず、ザビーネ・
マイヤーを無理矢理入団させるなど 
剛腕を振るっていたことを嫌味っぽく
オーバーラップしてる。

しかしTarは、音楽を「創る」カラヤンの
面と、音楽を「表現する」バーンスタイン
の面を併せ持っているように見えた♫


そしてこの作品では、最近まで女性を蔑視
し男だけで構成されていたオケに同性愛を
持ち込み、Tarによって主要ポストを独占
するという、オーケストラの世界のタブー
に斬り込んでる😳

もしかするとTarはLGBTQの旗手みたいな
役割になっているのかもしれない。


そんな中で1番良かったのは、暴漢に襲わ
れた後のスタジオ練習で、Tarが指揮する
マーラー5番。

第1楽章と第2楽章を繋ぐ振り方、あれ
ブランシェットのオリジナルなのかな?
大袈裟だけど魅せるなーと何回も見返した。


ストーリー上でも書きたいことたくさん
あるけど収集つかないからもう止める😅
Tomo

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