一回観ただけじゃわからん!というのは基本的に好きじゃありません。好きなのもあるけど。
ハナから複数回観るの前提みたいなのは好きじゃありません。
でも一回目でもそれなりにではあっても消化できて尚、もう一回もう一回僕はこの手を伸ばしたい、と思えるものは大好きです。
これはそれ。正解が決められてないから。
監督がアイズワイドシャットでピアノ弾いてた人だと最近知りました。ニックナイチンゲール。
まずはケイトブランシェット様。圧巻でした。この映画に出るために産まれてきたのかも。大袈裟な。でもそのくらい凄かったです。
どんな分野でも優れてる人が必ずしも人格者では無いし、また人格者である必要は無いと思ってます。
のっけから長々とクラシック音楽のダベりが入り、そこでケイト様演じるターの印象が決定づけられます。
頭が良く優秀で質問ひとつひとつに丁寧に答える。テキトウな答えは何ひとつ無いことは音楽の知識がなくてもわかる。反面、どこか不遜で、こいつとつきあってくのは大変そうだな、と。俺はこいつと仲良くなれそうにないな、と。
ちょうどフロあがりの妻がこれ観ながら、この人インディジョーンズに出てた人だよね?なんでこの人こんな偉そうなの?、だって。
次の鬼の長回しシーンでそれがはっきりします。
音楽に対する情熱、真摯な姿勢、また将来のある若者に自ら可能性を狭めるようなことはしてほしくないという思い、なんかはビンビンに伝わってくるけど一方で、学生の気持ちやそのバックグラウンドを理解しようとする気持ちがゼロ。平行線みたいに見えるけど干渉ばっかしてる。
人物紹介としては充分過ぎるほど強烈にそのキャラは印象づけられました。と、同時にその冒頭の講演会と学生相手の講義の内容そのものも、その後のお話を追っていくのに効力があるんじゃあないか。
そして終始そんな感じで進んでくので見逃すまい聞き(読み、ですかね字幕なので)逃すまいとくらいつきました。
だから疲れるんすよ。脳を使ってる感覚が観終わった後にわかりました。
観てて、おや?これはそういうことかな?、ってのがいくつかある。
ターの視点で進んでくのがおもしろい。そして実際のところどうだったのかは分からずじまい。
だからすっげえターよりになることもできるし逆もできる。
ネタバレ設定にしてひとつひとつ書いてったらメッチャクチャ長くなってしまったので内容書くのはヤメにしました。
ちなみに妻は60分くらいで離脱。フロあがってそのまま観てましたが不意に、
これおもしろい?、と。
おもしろいじゃん!
どこがおもしろいの?
……。(説明すんのめんどくせえ)
あれモンハンですよね?素敵な着地点。イジワル監督だなあ。監督の意図がどうあれどっちでも解釈できるもの。
最後に絶対関係ないことを。
TARのアナグラムでRAT、というシーンが出てきます。これ本名示唆してる?ドブネズミみたいに…