キモサベ

TAR/ターのキモサベのレビュー・感想・評価

TAR/ター(2022年製作の映画)
3.3
超一流指揮者リディア・ターの栄光と挫折、転落人生からの再生・・・の物語

と、一行かそこらで終わってしまうお話なのですが、ドッコイそんな単純ではなく
謎が謎を呼ぶ、“ホラー”じみたサスペンス映画にようこそ・・・みたいな
人間関係ドロドロ、因果応報・・・みたいな
ジェンダー、パワハラ、ネット拡散の社会派ドラマ・・・みたいな

いやぁ~、自分のレベルでは“難解”に属する映画でした
(でも飽きることなく楽しめました)

それにしても、今更ですがケイト・ブランシェットの“圧倒的な”な存在感
本作を含め8度のアカデミー賞にノミネート、内2度の受賞(主演・助演)、自分は密かに彼女のことを『目力女優』と位置付けておりますです、はい
彼女はそのすごさを序盤から畳みかけてきます
公開での対談シーン、学生相手の講義のシーン、膨大なセリフに加えて長回し・・・むしろ怖ささえ感じました
※コテンパンにやられるマックスという学生の“貧乏揺すり”がやたら気になりましたが

さて、そんな彼女が栄光の座から一転、あれよあれよの転落人生

ベルリンフィルの首席指揮者
社会的地位と信用
よき理解者である教え子(秘書)
同様に教え子の自殺
大抜擢した若いチェロリスト
私生活でのパートナーと養女
そしてアパートの立ち退き
あらゆるものを失います

そして、物語は終焉へと向かいます
ここで彼女をどう見るかは人それぞれだと感じました
落ちぶれた人生と見るか?、再出発と見るか?

自分の感想です
かつて彼女が幼い頃に音楽の道を開いてくれたであろう、バーンスタインとの出会い(実家で涙するビデオ)・・・それが示すとおり、今後彼女は『子供たちへ音楽の扉を開く』ことに心血を注いでくれる・・・と自分は信じたいのでした
キモサベ

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