個人的にはもう少し基本的なテーマがはっきりし、付随的に色々な見方ができる要素があるという感じだったら良かったです。良く言えば多様な見方ができるということですが、率直な印象としては焦点が定まらずどうとでも言えてしまう内容だなあというものでした。
リディア・ターというひとの人物造形はリアリティがありました。専制的な雰囲気は出ていますが、過度なデフォルメはなく、ケイト・ブランシェットの素晴らしい演技も相まって本当に存在する人物のように見えました。
クラシックの知識や関心がないと、実在の人物名や専門用語など分からないだろうなというところが結構ありました。