モリコーネは偉大な音楽家だと思うし、モリコーネの人柄や音楽について知るという意味ではもちろん有益だったが、単純にドキュメンタリー作品としての面白さは今ひとつ。
生い立ち部分はともかく、後半はすごいすごいと絶賛ばかりで飽きてくる(モリコーネに恩があるトルナトーレが監督だからな)。緩急あるのはアカデミー賞のあれこれぐらいなんだが、でもだったら何でなかなか評価されなかったか、もう少し突っ込んでも良かったよね。
映画音楽こそ現代音楽だというのはそうだろうと思う。アカデミックで評価されていてもほとんど演奏されない、人の心を動かせない音楽より、よほど音楽としての役割を果たしている。そういう認識に達するまでモリコーネ自身が苦悩したのは伝わってきた。