グシケン

モリコーネ 映画が恋した音楽家のグシケンのレビュー・感想・評価

4.2
モリコーネの映画音楽の作曲家としてのキャリアと彼が楽曲提供した映画の歴史を同時に紐解いていくようなドキュメンタリーで至福の時間でした。
彼が映画の場面を音楽で的確に表現することに如何に長けていたか、既存音楽の使い回しが当たり前だった映画音楽にどれだけの革命をもたらしかなど、もはや映画音楽というジャンルを確立したとも言える彼の才能と功績を音楽業界や映画業界の重鎮たちが音楽素人の自分にもわかる言葉で具体的に語っていた。セルジオレオーネとの信頼関係もグッときた。
一発でモリコーネとわかる印象的なメロディ、映画作品と切り離すことができない次元にまで到達した楽曲のクオリティ、求められているクオリティを出しながら、常に新しいことにチャレンジするところなど、彼の音楽が著名人だけでなく世界中の映画ファンから愛される理由がわかる。
一方で、彼の口からは芸術音楽と映画音楽とのギャップに対するコンプレックスについても語られるが、同時に芸術音楽家からは彼の楽曲に感服させられたエピソードも語られる。
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