ジョン・マッデン監督がコリン・ファースを主演に迎え、第2次世界大戦下で実行された奇想天外な欺瞞作戦の行方を、実話に基づいて描いたスパイサスペンス!
1943年。劣勢を強いられる英国軍はイタリア・シチリアの攻略を目指すが、シチリア沿岸はドイツ軍の防備に固められていた。英国諜報部(MI5)は状況を打開するため、驚くべき奇策をチャーチル首相に提案。“オペレーション・ミンスミート”と命名されたその作戦は、“英国軍がギリシャ上陸を計画している”いう偽造文書を持たせた死体を地中海に流し、ヒトラーを騙し討ちにするというものだった。作戦は欧州各国の二重三重スパイたちをも巻き込み、壮大な騙し合いへと発展していく…。
奇想天外な作戦が実話であることに驚愕! 死体に偽造文書をつけて海に流し、敵に文書の内容が本当だと思い込ませる…。人以外に情報伝達手段がない中世ならともかく、すでに電話や無線での情報伝達が可能だった1940年代に、敵の伝令が携えていた偽造文書の内容を信じこませることが出来たのはなぜか。それは偽の身分証や偽の恋人の手紙を持たせるといった“芸の細かさ”もあるが、ナチス内の反ヒトラー派が暗躍したとの噂があるほど、逆にうまくいったことが不思議に思える謎。だが、そんな奇想天外な作戦を信じて全軍をシチリアに向かわせたチャーチルの胆力にはより驚かされる。また、この作戦にかかわったイアン・フレミングが、後に“007”の作者として名を馳せることになるのは、正に“事実は小説より奇なり”だと思う。
