さくらん

オペレーション・ミンスミート ーナチを欺いた死体-のさくらんのレビュー・感想・評価

4.1
イアン・フレミングが発案した非現実的な作戦メモのひとつ『トロイの木馬作戦』が、対ナチスとの戦況を変えるのにひと役買った作戦。

1つの作戦を練って、準備をするのに数か月、実行に移すのにも機を見て数か月、結果が出るまでに、また数か月。

敵国の暗号を傍受して解読したり、それぞれの国で活動を行うスパイを駆使して、駆け引きをしたり、何ともスリリングな作品だった。

架空の伝令書が読まれたか否かを、事前に挟んだまつ毛や、紙の曲がり具合で判定するなんて、何とアナログな手法だけと、その時代を生きた先人達の知恵に敬服する。

異国の地で偽名のまま埋葬された彼が、1990年代にやっと墓石に本名が刻まれたとの事。
成仏できていると信じたい。

我ながらミーハーだと思うが、映画と、BBCドラマの2人のダーシーが競演する公開を楽しみにしていた作品。
マシューの方はMI5に所属する大尉と言うのもシャレが利いている。
危うくタイミングが合わず映画館で観られなくなる所だった。

2人とも歳を重ね、特にマシューは、実年齢以上にオジサン化が進んでしまったが、2人共、英国紳士の立ち居振る舞いが美しく、貴族が軍人になったかのような軍服の着こなしと、美声は健在で、ストーリーを追いつつも、終始テンション高めで楽しんだ。
特に2人がゆっくり階段に腰掛けて話をするシーンがとてもよかった。