アレクサンドリア

リベリオンのアレクサンドリアのネタバレレビュー・内容・結末

リベリオン(2002年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

ガンカタばかり語られがちだけど、設定がすごく好き。
「芸術を所持、観賞することが罪である」って、すごい着眼点だよなぁ。
ディストピアものにおいて職や住処や恋愛が制限されるのはよくあるけど、芸術という、実は人間を人間たらしめているのはそこなのではないか?という部分をいやらしく突いてきた!
心の自由、想像力の自由を奪われるという息苦しさ。

冒頭のつかみのシーンが秀逸。
モナリザの絵画を発見、鑑定
→「本物です」→「よし燃やせ」
自分「燃やすの⁈本物なのに⁉︎」
この意外性でグッと惹きつけられるし、作品世界の価値基準が見事に表現されてて唸ってしまった。

その後、薬を抜いて覚醒していく主人公の姿も良いんだよなぁ。
階段の手すりや壁にツツーッと指を這わせたり、ビームのように差し込み光をジッと覗き込んだり
まんま「自分が生きるこの世界の面白さ美しさ素晴らしさを発見していってる最中の子供の姿」なんだ。
この世界は日々感動に溢れている、ということを思い起こさせてくれる。
そしてもちろん犬は可愛いよな、抗えないよな、うんうん。